2019年5月1日ついに令和の時代が始まり、日本中が歓迎ムードに包まれています。
この波に乗り遅れまいと、令和にちなんだ商品やサービスのキャンペーンが数多く紹介されています。そのため毎日「令和」の文字を目にします。
おかげで段々と新元号に慣れてきた感もありますが、まだ元号ともっとも関わりの深いアレに「令和」の文字が刻まれたものを見ていないですよね?
そうコインです。見たい。みんなよりいち早くみたい。そして自慢したい。

ということで、造幣さいたま博物館 令和元年 初営業日に見学してきました。
が、残念ながら令和コインはまだ製造されていませんでした。しかし博物館が楽しかったので紹介します。
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造幣局さいたま支局について
東京都豊島区にあった造幣局が2016年10月にさいたま市大宮区に移転してきました。造幣局はここ以外にも大阪府大阪市北区と、広島県広島市にもあります。
造幣局ということで、さいたま支局でももちろん硬貨を製造しています。
ちなみに紙幣は印刷局の管轄なので、造幣局では製造していません。
●アクセス
所在地: 〒330-0835 埼玉県さいたま市大宮区北袋町1丁目190番22
駐車場:無し。近隣のコインパーキング
駐輪場:約30台
●造幣さいたま博物館見学
営業時間 | 午前9時〜午後4時30分(入館は午後4時まで) |
休館日 | 毎月第3水曜日 |
見学手続き | 不要 |
入館料 | 無料 |
ガイドツアー | ①11:00 ②14:00 ③15:00 ※休日のみ。予約不要。無料 |
●工場見学
営業時間 | 午前9時〜午後4時30分(入館は午後4時まで) |
休館日 | 土日、祝日 |
見学手続き | 不要 |
入館料 | 無料 |
ガイドツアー | 要電話予約。無料 |
造幣局さいたま支局訪問
エントランス~1階ロビー
正面入り口の外観。2016年に出来たばかりということもあり、モダンなデザインで大阪本局のレンガ調とは時代的なデザインとは対照的です。
エントランス横には記念撮影スポットがあります。しっかりと「令和」の元号が表示されています。



造幣局は英語でMINTっていうんだね。
正面エントランスを入ってすぐに受付があります。ここで名前と人数を記入します。バッジを渡されるので胸につけましょう。
いざ工場見学、博物館のある2階フロアへ
2階にあがり、いざ工場見学へ!・・・・とはいかず、この日は残念ながら工場はお休みでした。人も少ないし、まぁ知っててたけどね(ノД`)・゜・。
2階フロア展示
気を取り直し、2階フロアにある展示を紹介します。上の写真は過去に実存した富士山がデザインされた百円硬貨の木製パズル。
時代劇やがんばれゴエモンにでてくる「千両箱」がどのくらい重かったかを体験できるサンプル。その重さなんと約20kg。うちの6歳の長女とほぼ同じ重さ。
こんなの持って屋根から屋根へ渡るゴエモンさんはやっぱり半端ないっす!
「100万円をすべて500円玉にするとどのくらい重さなのか?」を体験できるサンプルです。
正解は14kgで、500円玉にすると2000枚にもなります。
他にも100円4000枚(40万円)で19.2kgなど4種類の展示されています。
こち亀の両さんが寿司屋で15万円を全部1円玉で支払いしていましたが、1円玉は1枚1gなので、両さんのリュックは150kgもあったんですね。でも両さんなら余裕そう(*´ω`*)
お金が健康な状態かをチェックしてくれる「コイン君」は残念ながら故障中。
コイン君は硬貨を入れると、汚れや摩耗の状態といったコインの健康状態を診断をしてくれるそうです。
自販機に何回いれても認識されないコインってありますよね。あのようなコイン摩耗が進んでいたり、厚みが薄くなってしまっているそうです。
コインの自動選別機。コインが溝の中を転がり、出口付近につけられた磁石でスピードにブレーキがかかり、所定のケースに落下するというもの機構。
実際にこの装置でコインを分別している訳ではなく、各コインの材質の違いをしってもらうための展示ですね。
ちなみに1円は軽いせいか、出口付近で心配になるレベルでゆっくり落ちてきます。



しかし1円玉はアルミなので、磁石につかないのでは?ムムム
謎を残したまま博物館へ・・・
造幣さいたま博物館へ
博物館は入場無料で自由に見学できますが、無料のガイドツアーに参加するのがおススメです。休日しか行っていませんが、予約も不要で、豆知識などを交えながら分かりやすく説明してくれます。
造幣局の歴史とさいたま支局の紹介

造幣局の歴史がわかる明治時代の写真や資料。外国人技師の協力を得て、造幣の知識を学んだ様子が伝えられています。
お金の歴史
中国における最初の貨幣は貝に刻印を入れて貨幣としていたそうです。そのため貨や財、貯といったお金に関わる漢字には貝という部首がはいっているものが多いとのこと。
貨幣の製造プロセス
貨幣の製造工程が分かる展示です。大きく分けると8つに分かれています。
- 溶融
- 熱間圧延
- 冷感圧延
- 圧穿
- 圧縁
- 洗浄
- 圧印・検査
- 計数・袋詰め
さいたま支局では4番目の圧穿工程からだと思われます。
貨幣の偽造防止技術
2021年(令和三年)に新500円に切り替わりますが、そこで採用されるのがバイカラー・クラッド。ユーロのコインを見たことがある人はご存知かもしれませんが、1枚のコインに金と銀の材質が混ざったものを見たことがあるかと思います。
あれと同様に中心部が現100円玉の材質、周囲が現500円玉の構造のコインになるとのことでした。
令和の金型は現在製造中
ガイドの方に「令和のコインはいつ頃から作られるのですか?」と質問してみたところ、金型の製造に約3カ月かかるため、製造は7~8月頃になるのではないかとの回答をいただきました。
私も仕事で金型をつくることはよくあり、インジェクションやダイキャストといった鋳物の金型は2か月くらいかかるのが一般的です。最近は中国で金型を作り、納期が早まるケースも増えてきましたが、やはり一国の通貨の金型となるとかなり精密な金型なのでしょう、時間がかかることも仕方ないですね。
ちなみに令和の金型ができるまでは、まだ平成31年のコインを作っているそうです。
勲章とメダルもつくっています
造幣局が作るものは貨幣だけではありません。勲章とメダルも作っています。
令和元年に新天皇陛下のご即位の儀式がありました。その際、首と裾に勲章を身に着けておられました。また紫綬褒章や黄綬褒章といったテレビでも良く聞く勲章もすべて造幣局でつくられています。
メダルといえば、なんといってもオリンピック。
これまで日本で行われた東京・札幌・長野いずれも造幣局で作られました。もちろん2020年の東京オリンピックのメダルも製造予定です。
シドニー五輪までは、オリンピック憲章で『金メダルは銀台に6gの金メッキを施したもの』と決まっていたそうです。つまり本体は銀なのです。そのため材料としては銀がもっとも量が必要とのこと。
記念硬貨の展示
記念硬貨も造幣局で製造されています。博物館にはこれまで発行された様々な記念硬貨が展示されていました。ここでは紹介しきれないので、とりあえず一つ紹介します。それは地方自治法施行60周年記念貨幣。
47都道府県それぞれの顔となる自然や建築、偉人がデザインされています。我らが埼玉県はと言うと、川越の時の鐘と渋沢栄一。ケースには長瀞のライン下りとさいたまスタジアムが選ばれていました!渋沢栄一は新一万円札にも選ばれたことが記憶に新しいですね。
ちなみに歴代でもっとも高いコインは10万円硬貨とのこと。高価な硬貨( ゚Д゚)
現在は高くても1万円硬貨というのが一般的とのこと。
古銭・小判・大判・幻のコイン
いよいよ最後の展示室「日本の古銭」です。
日本最古の貨幣と言われている富本銭。私が中学生の時は和同開珎が最古と言われていました。
大判・小判なども数多く展示。
大判には墨で文字が書いてありますが、大判は流通用ではなく、褒章的な役割だったためだそうです。
最後にお土産ショップへ
最後は1階のお土産ショップへ。造幣局らしい、貨幣にまつわるオリジナルのお菓子が並びます。
和同開珎を模した最中や、
現財の6種類の貨幣がデザインされたお煎餅などがあります。
自分も何かお土産買おうかなと、下に目を向けると・・
キャッシュレスは許さぬ・・・・硬貨で払いなさいよということか(;’∀’)
なんてね♪
令和コインをみるためにまたくるぞ
硬貨の豆知識や貴重なコインを多く見ることができ、子供はもちろん大人も楽しみながら学べるとても良い博物館でした。工場が平日しか見学できない点は少し残念。第3土曜日の月一回でも見学ができると、小学校に進学した子供にも見せてあげられるのに。もちろん造幣局で働いておられる方の負担になるので、強く言えませんが。
私は有給とってでもまた来たいと思います。
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